歯の大切さを知ろう
- 2019.09.19
- コラム

高齢になったときのQOLに影響
「8020運動」という言葉をご存じですか?
これは、80歳という年齢まで、20本以上自分の歯を残そうという運動のことです。
聞かれたことのある方も多いかと思いますが、平成元年より厚生省と日本歯科医師会が推進している運動です。
これは、高齢になっても自分の歯を健康に保つということが重要であることを意味しています。
近年、日本人の平均寿命は男性81.25歳、女性はなんと87.32歳と、男女ともに80歳を超えました。
そんな長い生涯において、食べることは楽しみの内のひとつですよね。
自分自身が高齢になった時のことを想像してみましょう。
友達との会話や趣味に興じることで毎日を楽しく過ごせたらいいですね。
しかし実際は、足腰が弱くなったり、何か疾患を抱えることで外に出る機会も少なくなるかもしれません。
そうなると、旅行は少し難しくなるかもしれません。
誰かに電話をかけて話をしようにも、相手の都合もあるでしょう。
そんな中で、失う可能性の低い楽しみというと、「食べること」となってくるのではないでしょうか。
高齢になるほど、歯でよく噛んで物を食べるということが大切なのです。
80歳を超える年齢まで、自分の歯を20本以上残そうというこの運動には、QOLに影響します。
歯を失って、固いものはおろか、固形物を食べられなくなるなんて、若いうちは考えもしない事だと思います。
「20本」という数字は、自分の歯が20本あれば、食生活にほぼ満足することができ、自分の歯で食べるという楽しみを失わないのだそうです。
そのためには、若いうちからの口腔ケアは非常に大切です。
生涯にわたって歯は大切
歳をとった時にだけ大切なのというわけではなく、歯は生涯において大切なものです。
食べ物を噛めなくなるというのは、食事をする際に消化の妨げになり栄養状態が悪くなるだけでなく、体全体の健康にも影響を及ぼします。
咀嚼することで固いものなどの異物をより分けることができ、体内に取り込まれるのを防ぎます。
歯が生え揃っていることは、言葉の発音にも影響します。
話をしたり噛んだりと口を動かすことは、顔の筋肉を発達させます。
よって、顔のきれいな表情を作ることに一役買います。
歯がなくなってしまうと、顔の表情が一気に老けて見えます。
それだけ老化を速めてしまうことにもつながります。
スポーツする際に、歯を食いしばることは大切です。
アスリートは歯を食いしばることで人並外れた瞬発力を生み出します。
野球界のレジェンド王貞治は、奥歯を食いしばりすぎて引退するころには奥歯がボロボロだったと言います。
また、フィギュアスケート界の女王に君臨した浅田真央さんも、跳ぶときは奥歯を食いしばるために欠けてしまうというエピソードをお話しされていました。
歯周病は、歯を失う要因となるだけでなく、全身の病気の原因や、悪化する原因となることがわかっています。
日本臨床歯周病学会の発表によると、歯周病が引き起こす可能性のある病気として、以下の病気をあげています。
狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病
また、物を噛むことは脳細胞を刺激しています。
この咀嚼という行為がなくなると、高齢になったときに痴呆症になる可能性を高めます。
このように、私たちの気づかない内に、歯はさまざまなシーンで活躍しています。
この大切な歯を末永く使うためにも、日ごろからの口腔ケアは大切なのです。
エリートほど歯を大事にするらしい
海外では、芸能人だけでなく「ビジネスマンも歯を命」なのだそうです。
仕事のできるエリートほど、歯を大事にする傾向があるとのこと。
歯が悪くなり始めると、歯医者に行って治療をしてもらうことでしか、よくなることはありません。
なので、口腔内の疾患は、早期発見早期治療が大事です。
これは、口腔内の状況を悪くしてしまったときに、さらに治療にかかる時間を割かなくてはならないこと、症状が全身に及ぶと治療費がさらに多くかかることを見越して通院するからだと思われます。
仕事で忙しい中でも歯医者にかかる時間を作ることは、人生全体で見てもメリットがあることだと判断するのだと思われます。
歯の健康を維持するために投資をしているような感覚なのでしょうね。
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