歯の構造って?材質や仕組み
- 2019.09.19
- コラム

歯の構造は大きく分けて2つの組織からできています。
- 歯そのものを構成する組織
- 歯の周りを構成する組織「歯周組織」
歯の組織
歯は以下のような組織で構成されています。
- エナメル質
- 象牙質
- 歯髄
- セメント質
これらの組織について詳しく見ていきましょう。
エナメル質
人間の体の組織の中でも一番固い部分にあたります。
「琺瑯質」とも呼ばれます。
歯の一番外側の部分は、この物質で構成されています。
鉱物の硬さを測るときに用いられるモース硬度では、エナメル質の硬さは7程度を指します。
この硬度は、石英(水晶)と同じくらいの硬さで、「ガラスや鋼鉄などに傷をつけることができる硬さ」であるとされています。
このエナメル質は砂糖の摂取や酸による脱灰によって、成分が溶け出してしまうことがあります。
虫歯の初期症状は、この脱灰が起きている状態です。
象牙質
象牙質は骨と同じくらいの硬さを持つ、エナメル質やセメント質の内側に当たる部分です。
歯冠部から歯根部までを形作っています。
モース硬度では6程度の硬さで、エナメル質よりも軟らかく、象牙質の中は象牙細管という細い管が通っています。
象牙質も、酸が弱点となります。
虫歯が進行して象牙質まで達すると、急速に進行します。
虫歯になった時に歯が痛むのは、この象牙細管を刺激が伝わるためです。
歯髄
歯の神経のことです。
血管や神経、リンパ管が通っている軟らかい組織です。
この歯髄によって、歯の象牙質に栄養が送られます。
虫歯が進行しすぎて神経を取ってしまうことがありますが、「神経を取る」というのはこの部分を除去することです。
除去してしまうと、虫歯の痛みを感じることはなくなりますが、象牙質に栄養が行き渡らなくなり、歯全体を脆くしてしまいます。
セメント質
歯根部表面を覆っている組織で、モース硬度は5程度の硬さで、人間の骨と同等の硬度を持ちます。
歯根膜の線維が入り込むことによって歯槽骨と結合していますが、加齢により肥厚していきます。
歯周組織
歯周組織の構造は以下のようになっています。
- 歯肉
- 歯根膜
- 歯槽骨
- 歯肉溝
これらの組織について詳しく見ていきましょう。
歯肉
「歯ぐき」と呼ばれている部分のことです。
この歯茎と呼ばれる軟らかい口内粘膜が歯槽骨を覆い、歯根を囲っています。
この歯茎が炎症を起こすことで歯肉炎など歯周病の症状があらわれます。
歯肉をマッサージすると口腔内の血行を促進し、口角のリフトアップやほうれい線予防などにつながります。
歯根膜
歯根膜は歯根部分(セメント質)と歯槽骨の間を結びつける靭帯のような役割を果たします。
そのため「歯周靭帯」とも言われている組織です。
食べ物を噛むとき、歯にかかる圧力を吸収して、歯槽骨に加わる力を和らげるクッションの役割を果たします。
歯槽骨
歯肉に覆われ、歯を支えている顎の骨のことです。
歯周病などでこの歯槽骨が破壊されると、歯周病だけでなく体全体に病気となって現れることがあります。
歯肉溝
歯肉と歯の境目のある小さな隙間のことで、健康な歯の人でもこの隙間は存在します。
歯肉が炎症を起こしたりするとこの溝は深くなり、歯周ポケットと呼ばれます。
歯周ポケットが深くなると、歯周病菌が繁殖しやすくなり、歯を支える土台となる歯槽骨が溶けていきます。
悪化すると最後には歯が抜け落ちてしまいます。
そのため、歯周ポケットケアは歯周病予防に欠かせないのです。
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