歯にとって悪い食事や生活習慣を知ろう

歯にとって悪い食事や生活習慣を知ろう

「チョコレートみたいな甘いものばかり食べてると虫歯になるよ!」「しっかり歯磨きしなさい!」小さい頃にこう言われた方は多いのではないでしょうか? チョコレートや甘いものは歯に良くないものと記憶したものです。
食べ物には歯にとっていいものと悪いとされるものがあると言われます。それはどんな食べ物でしょう。

歯にとって栄養の良い食事

歯が作られるには以下のような栄養素が必要になります。それらの栄養がある食品を取ることで歯がしっかりと作られるようになります。

カルシウム

カルシウムは歯の石灰化を助ける働きがあります。
干し桜エビ、牛乳、ヨーグルト(無糖)、ちりめんじゃこ、チーズ、ひじき、高野豆腐、モロヘイヤ

タンパク質

タンパク質は歯の大部分を占める要素で、象牙質のもとになります。
肉類、魚介類、大豆、牛乳

ビタミンA

ビタミンAにはエナメル質を強くする効果があります。。
にんじん、パセリ、ほうれん草、かぼちゃ、レバー、うなぎ

ビタミンD

ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける働きがあります。
いわし、さんま、鮭、干ししいたけ、みかん缶

ビタミンC

象牙質の生成に関わる栄養素です。不足すると象牙質を作る象牙芽細胞に障害が出るので、しっかりした歯が作られにくくなります。
ブロッコリー、小松菜、パセリ、ピーマン、じゃがいも、みかん

フッ素

溶けだしたカルシウムやリンを再石灰化させる働きがあり、歯を強化します。
めざし、桜えび、わかめ、のり、緑茶

歯に悪い食事

甘いものを食べると虫歯になりやすいと幼いころに親や幼稚園で教わったことがあると思います。
歯に悪いものはズバリ、甘いものです。
甘い食べ物に含まれる糖分は、口の中にいるバクテリアの養分となります。口の中に長い間糖分が残っていると、バクテリアは糖分を分解し、酸を出します。その酸が歯を溶かし虫歯になってしまいます。

糖分が高い食べ物は基本的に虫歯になりやすくなるものですが、その中でも歯に悪いとされるのが、粘着性の強い糖分の高い食べ物です。
その代表に以下のものがあります。

キャラメル、スナック菓子、ドライフルーツ、菓子パンなど
どれも食べた後どこかに食べカスが付着ししやすいので、口の中にバクテリアが増えやすくなります。
糖分がそこまで多くないお米やうどん・パスタも、粘質のある炭水化物であるため、食べカスが歯につきやすくなり同様に虫歯になりやすい傾向にあります。

酸性になる食べ物もあまり歯にはよくありません。もともと酸性の食べ物や食事、飲み物も歯の表面のコーティングを溶かしてしまい、虫歯の原因となります。歯はとても強い素材ではありますが、酸には弱い特徴があります。酸によって溶かされた歯を酸蝕歯といいます。
酸性が高い食べ物には以下のものがあります。
酢の物、黒酢、かんきつ類、栄養ドリンク、スポーツドリンク、梅干しなど
ただし、口の中には唾液があるためこれら普段の食事にこれらの食品が含まれているからと、すぐに歯が溶けることはないといいます。よほど、毎日多くの酢を飲んだりしない限り現れにくい症状のようです。

歯の色素に関係するもの

歯の色素に関係するもの

タバコを吸っている人の歯って黄ばんでいるイメージってありませんか? 歯に着色汚れをするステインといい、これが蓄積することにより、歯が白ではない色に見えるようになります。

食事や飲み物により口の中は酸性に傾きます。すると歯の表面を覆う物質ぺクリルが唾液に溶けだします。

時間が経つと口の中はアルカリ性に傾き、ぺクリルは再石灰化し歯の表面を再びコーティングします。このとき、唾液に着色性のある食事や飲み物があると一緒に歯にコーティングされ、その積み重ねで歯の着色となります。

普段口に含むものの中にステインになりやすい、歯に着色しやすい成分があります。

コーヒー

コーヒーには苦味の成分であるタンニンが含まれています。タンニンはポリフェノールの一種で、赤ワインなどにも含まれるものと同じ種類の成分です。
ポリフェノールは抗酸化作用があるため、体に良いものとして注目される成分です。
しかしこのポリフェノールは何度も歯に触れることで色が蓄積し着色するようになります。

お茶

お茶に含まれる“渋“の成分、カテキンはタンニンの一種で着色しやすい特徴があります。
タンニンは強い沈着力があり、建築などで木材を補強する塗料として使われる成分でもあります。

タンニンは緑茶にも含まれまれますが、特に紅茶やウーロン茶などの完全発酵したお茶に多く含まれます。

コンビニなどで売っているペットボトルの紅茶などは成分を抑えているため、そこまで着色の心配はいりませんが、茶葉から入れたお茶はカテキンの成分が強いため歯につきやすくなります。

タバコ

タバコにはヤニと呼ばれるタールが含まれており、この成分が着色の原因になります。タールは煙と一緒にでる黄色い油のようなものです。

タバコを吸っている人の家のガラスや壁についているあのべとべとした黄色いものです。
タールはポリフェノールのステインよりも強い着色力があり、歯につくと取れにくい特徴があります。

さらにタバコを吸っている人の歯茎が黒ずんた様になることがあります。これはニコチンやタールが歯茎にメラニン色素を沈着させる働きをするためです。
歯茎が黒ずんで見えると、あまり健康的に見えませんよね。

ニコチンには血管を収縮させる働きがあるため、歯茎の毛細血管が収縮し歯に栄養が届かず、歯周病など歯茎の病気になりやすくなります。

歯にいい食べ物、悪い食べ物は食材単位でみるとほとんどの食材が含まれることになります。
歯にいいものだけを選択して食べるのは不可能ですし、楽しみとしての食事をすることができません。
そのため普段から栄養のバランスの取れた食事をとることを意識するようにしましょう。

歯に着色しやすい食べ物や飲み物を口に含んだ場合は、なるべくすぐに口をゆすぐようにし、すぐにホワイトニング効果のある歯磨き粉を使って歯磨きをするようにしてください。