義歯の種類や治療期間・治療費

義歯の種類や治療期間・治療費

虫歯や歯周病により歯が無くなると、普段の食事などもとても難しくなるものです。
物をすりつぶす奥歯であったり、噛み切る前歯や犬歯、会話での発音など、それぞれ歯には役割があるため、無くなった部分を補助しなくてはなりません。その方法に義歯を入れるというものがあります。ブリッジや入れ歯、インプラントなど人口の歯の相称が義歯です。義歯は無くなった歯の代わりとして、食事や会話に必要なものです。
こちらでは義歯について詳しく説明しています。

架工義歯(ブリッジ)とは

歯が虫歯になって、しばらく放置してしまうと、虫歯が悪化し歯を抜いてしまわないといけなくなる事があります。歯を抜くと歯の根ごと抜いてしまうので、土台となる歯が無く歯茎のみになってしまいます。

この場合の治療法の一つに架工義歯(ブリッジ)があります。特徴はこの名前にもなっているように歯と歯の間に橋が架かるように義歯を入れる方法です。

歯が無い部分をその両側(前後)の歯で支える形になり、3つ一体型になった歯をはめ込むことで、これまでの自分の歯と同じように物を噛むことができます。
インプラントのように高額な治療費がかからず、保険適用であれば比較的安価で行える治療です(場合によって架工義歯ができない場合があります)。

このように架工義歯にはメリットがありますが、デメリットもあります。
この方法の場合、上から塊のかぶせ物を入れるため健康な大きく歯を削る必要があります。健康な二つの歯を削ることになるため、歯の丈夫さが若干落ちることになります。
ブリッジにするとこれまで3つの歯で噛んでいたのを、2つの歯の力で噛むことになり、2つの歯には大きな負担がかかる事になります。そのため、耐久年数はおよそ8年ほどとされています。何年かごとに状態のチェックやメンテナンスが必要になります。

ブリッジは真ん中の歯が浮いているのと同じ状態のため、歯茎と義歯の間に隙間ができます。この隙間に汚れが溜まりやすく口臭の原因となることが多いようです。普通の歯ブラシでは届きにくい部分ですので、歯間ブラシなどを使用し汚れを取るようにしましょう。
素材はセラミックやレジン、金銀合金などがあり、前の方の歯はセラミックなどが使われますが、奥歯の力が強くかかる部分では金属のかぶせ物が使われます。

期間

ブリッジは作業が比較的簡単になるため、インプラントなどに比べると短い期間なのが特徴です。
治療の流れとしては以下になります。

抜歯→両側の歯の研磨→型取り→義歯作成→義歯のはめ込み

3~4回ほどの通院で期間はおよそ2週間ほどで完了します。
ただし、歯の無くなった部分を補う両側の歯に治療が必要な場合、さらに期間が長くなることもあります。

費用

ブリッジの施術の場合、保険適用と保険適用外の2タイプがあります。
金額の差は以下のようになります。

前歯 1本2万円 2本4万円
奥歯 1本1万円 2本3万円

保険適用には条件がある
前歯の場合、犬歯を含む2本以内もしくは犬歯以外で4本以内
奥歯の場合、前から4本目以降の歯で1~2本が対象
前から3番目までは白いコーティング(レジン)のある義歯、奥歯はすべて金属
保険適用外の場合
金属やレジン以外の素材(セラミック・金・銀・プラチナなど)の義歯を希望する場合は、インプラントと並ぶ高額な治療費がかかります。歯どの部分でも施術することができます。

1本150,000~300,000万円

特にオールセラミックは自然な歯とほぼ同等の見え方なので、どうしても見た目が気になる方にはおススメです。

有床義歯とは

古くから歯が抜けた部分を補う治療として行われていたのが有床義歯(入れ歯)です。
入れ歯は歯の抜けた部分に取り外し可能な義歯をはめ込みます。
入れ歯の場合は3本やそれ以上のまとめて歯が抜けた場合でも対応することができます。
入れ歯には総入れ歯と部分入れ歯の2種類あり、上あごもしくは下あごの歯がすべてなくなった場合は総入れ歯にすることも可能です。

1本以上歯が残っている場合は部分入れ歯となり、歯の抜けた部分の両側の歯に金属のバネで固定し、咀嚼時に外れにくくします。
その際、支えとなる両側の歯を削り、金属のバネをはめやすいようにする必要があります。
入れ歯は保険適用が可能です。保険適用であれば比較的安価に入れ歯を作成することができます。

入れ歯のメリットはいろいろありますが、デメリットもあります。
その一つとして噛む力が弱くなります。義歯の土台が歯茎と接するため、場合によっては噛むときに痛みを感じたりすることがあります。
支える部分が取り外し可能なため、粘着力の高い食べ物などを入れ歯で噛むと取れやすくなったり、口の中で動いたりします。

その他、せんべいを食べるおじいちゃんが印象的なCMでお馴染みの入れ歯の安定剤があります。安定剤は必ずしも必要という訳ではありませんが、入れ歯の収まりが悪くとれやすかったり、食事中に入れ歯と歯茎の間に小さな食べカスが入り痛い時などに使われています。

入れ歯は普段から装着していると、留め金の接合部分や、歯茎との接する部分など歯磨きだけでは汚れが落としにくい場合があるため、取り外して汚れを落とす必要があります。
「おじいちゃんお口くさい」のCMでお馴染みの入れ歯専用の洗浄剤があります。
安定剤が必要な場合、その費用都度必要になってきます。

期間

入れ歯の作成は作業が比較的簡単になるため、インプラントなどに比べると短い期間なのが特徴です。
一般的な保険適用の入れ歯の作成までの流れは以下になります。

3~4回の通院でおよそ1~2週間ほどで完成します。
一度作った入れ歯は、最初は違和感があったり歯茎と合わないこともあるので、使用しながら修正を加えていく必要があります。そのため自分にしっくりくる入れ歯になるまで1~2か月かかることもあります。

保険適用外の場合、よりオーダーメイドでの作成になるので、保険適用の場合より作成に時間がかかることがあります。

費用

保険適用により3割負担となる場合以下の費用になります。

部分入れ歯 5,000~14,000円
総入れ歯  10,000~30,000円

保険適用の入れ歯は素材が決められており、歯の部分はレジン、歯茎と接する部分はプラスチック、留め金は金属になります。
プラスチックの素材は入れ歯を修正やメンテナンスの際、加工がしやすいので時間をかけずに行いことができます。

保険適用外の入れ歯は貴金属やセラミックなど素材を変えることができ、留め金が不要のものや、磁石での着脱、装着感を向上させる素材の使用など様々なタイプがあります。
費用はおよそ150,000~300,000円になります。プラチナや金などの貴金属の素材の場合400,000円を超えることもあります。

素材が貴金属やセラミックの入れ歯はメンテナンスや修理の際、加工に時間がかかることがあります。

インプラントとは

インプラントの治療は海外では1950年代から行われてきましたが、国内では1980年代から行われるようになり、現在歯の治療として一般的になってきた治療法の一つです。
インプラントとは抜歯した跡の部分に、金属の土台を埋め込みその上に義歯をはめ込む治療です。

インプラントはあごの骨に直接金属を埋め込むもので、義歯と骨が直接繋がった状態となるため、強度があり一本の歯が自立した状態のため、ブリッジや入れ歯のように他の歯を削ったり過重の負担をかけることはありません。若干差はありますが、機能的には自分の歯で噛むことに最も近いのがインプラントです。

一度入れれば土台がしっかりしているため、非常に長く持ち、場合によっては一生持つこともあるのがインプラントの特徴です。
素材にはセラミックなどを使用し、見た目も自然な歯とほとんど変わりません。

前歯や笑顔で見える部分の歯にインプラントを入れると、自然な歯と同じように見えるため非常に見栄えがいいのでおススメです。
1本も歯が残ってない場合、総入れ歯をインプラントを使って埋め込むこともできます。

インプラントには様々なメリットがありますが、デメリットもいくつかあります。
インプラントの施術は現在、すべて自己負担の保険適用外になるため、とても高額になります。多くの歯が無い場合でのインプラント施術でとても高額なかかる事になります。
土台はあごの骨に直接埋め込むので、手術が必要になります。

自然な歯との違いとして、歯茎を歯の接する部分があります。自然な歯の場合は歯茎に覆われている状態ですが、インプラントの場合は歯茎と義歯の間に隙間があり、自然な歯よりも最近が歯茎に侵入しやすくなります。しっかりと歯のケアを行わないと歯周病になるリスクが高くなります。

期間

インプラントはあごの骨を削り、インプラントの金属の土台をはめ込む手術が必要になります。歯茎や骨と直接金属が接するため、骨との結合や、歯茎の治癒にある程度時間がかかります。

上あご 3~5か月程度
下あご 2~4か月程度

骨とインプラントが接合するまで、状態に応じて通院する必要があります。

インプラントを埋め込む骨がしっかりしていない場合は、安定するまで半年から9か月かかる事もあります。

費用

インプラントは土台の埋め込みの施術費と、義歯の作成費が必要になります。
土台を埋め込む費用に70,000円~、義歯に80,000円~がかかります。

1本のインプラントにかかる費用として1番安い場合で15,000円~になります。

この他に、インプラントの種類や材質、仮歯が必要な場合、義歯の素材、クリニックの料金の違いなどで、さらに費用が加算されます。
インプラントを2本以上必要な場合、さらに高額な費用がかかるようになります。
さらにメンテナンスに関しても、セラミックなどの素材は加工が難しいため、費用や時間がプラスチックとは違い高額になる場合があります。
歯はたとえ義歯であっても一生ものですから、インプラントの治療を始める際にはしっかりと期間や費用について歯科クリニックと相談し確認することが大事です。